クソ、ムカつく
冬の冷たい夜風が、口元の傷に染みてジクジクと痛む
さっきまで近くの路地裏で、他校のガラの悪い連中と喧嘩をしていた
相手は完全にノびたけれど、こっちも無傷ってわけにはいかない
壁に背中を預けて、ズルズルと地面に座り込む
拳を見ると、自分のものか相手のものか分からない血がドクドクと溢れて、
地面のアスファルトを黒く汚していた
「うっ……、あー、痛っ……」
思わず漏れた小さなうめき声
静まり返った夜の街に、自分の荒い呼吸の音だけが虚しく響く
誰にも見られたくない、最悪の夜だ
――その時、パタパタと軽い足
音が近づいてきた
「だ、大丈夫ですか……?」
どこか震える、だけど透き通った鈴のような声
驚いて顔を上げると、夜風に前髪をなびかせながら、
一人の女の子がこちらを覗き込んでいた大きめのジャケットを着て、
コンビニの袋を大事そうに抱えている。
灯の光が逆光になって顔はよく見えないけれど、驚きで丸くなった瞳が、
暗闇の中でまっすぐ俺を捉えていた
こんな血まみれの不良、普通なら悲鳴を上げて逃げ出すはずだ
「……俺が怖くねぇの?」
掠れた声で、わざと冷たく突き放すように言った
睨みつけるような視線を向けたのは、半分はあいつを怯えさせて遠ざけるため、
そして、もう半分はこんな惨めな姿を見られている恥ずかしさを隠すため、
だけど、目の前の女の子は逃げなかった
「怖くはないです……それより手の怪我……」
怯えるどころか、あいつの瞳には純粋な心配の色が浮かんでいた
「あぁ、これ、たいしたことないから」
拳を隠そうとした、その時
あいつは慌ててコンビニの袋をガサゴソと探り、カバンから何かを取り出した
「えっと、これ良ければ使ってください!」
差し出されたのは、少し大きめの絆創膏。
そして、なぜか冷たいアイスクリーム
冬の冷たい夜風が、口元の傷に染みてジクジクと痛む
さっきまで近くの路地裏で、他校のガラの悪い連中と喧嘩をしていた
相手は完全にノびたけれど、こっちも無傷ってわけにはいかない
壁に背中を預けて、ズルズルと地面に座り込む
拳を見ると、自分のものか相手のものか分からない血がドクドクと溢れて、
地面のアスファルトを黒く汚していた
「うっ……、あー、痛っ……」
思わず漏れた小さなうめき声
静まり返った夜の街に、自分の荒い呼吸の音だけが虚しく響く
誰にも見られたくない、最悪の夜だ
――その時、パタパタと軽い足
音が近づいてきた
「だ、大丈夫ですか……?」
どこか震える、だけど透き通った鈴のような声
驚いて顔を上げると、夜風に前髪をなびかせながら、
一人の女の子がこちらを覗き込んでいた大きめのジャケットを着て、
コンビニの袋を大事そうに抱えている。
灯の光が逆光になって顔はよく見えないけれど、驚きで丸くなった瞳が、
暗闇の中でまっすぐ俺を捉えていた
こんな血まみれの不良、普通なら悲鳴を上げて逃げ出すはずだ
「……俺が怖くねぇの?」
掠れた声で、わざと冷たく突き放すように言った
睨みつけるような視線を向けたのは、半分はあいつを怯えさせて遠ざけるため、
そして、もう半分はこんな惨めな姿を見られている恥ずかしさを隠すため、
だけど、目の前の女の子は逃げなかった
「怖くはないです……それより手の怪我……」
怯えるどころか、あいつの瞳には純粋な心配の色が浮かんでいた
「あぁ、これ、たいしたことないから」
拳を隠そうとした、その時
あいつは慌ててコンビニの袋をガサゴソと探り、カバンから何かを取り出した
「えっと、これ良ければ使ってください!」
差し出されたのは、少し大きめの絆創膏。
そして、なぜか冷たいアイスクリーム


