『イケメンになりたい!』で始めた学校生活、モテすぎてハーレム状態!?もう戻れない...

「――一ノ瀬くん!?」

扉の前に立っていたのは、カバンを片手に持ち、瞳の奥にどす黒い怒りの炎を宿した一ノ瀬くんだった。

「お前、また俺の言うこと聞かないで、男の膝の上乗ってんじゃねぇよ、小鳥遊」

一ノ瀬くんの声は、怒りで低く震えていた。

彼は大股で室内に足を踏み入れると、律先輩の腕をガシッと掴んで引き剥がし、私の身体を自分の腕の中へと力強くなぎ取るように引き寄せた。ドン、と一ノ瀬くんの広い胸に私の背中が叩きつけられる。

「あ、一ノ瀬くん……補習は……っ」

「お前が心配で、途中でバックれてきたわ」

一ノ瀬くんは私を背後に完璧に隠し、律先輩を刺すような視線で睨みつけた。

「へぇ……。特進の一ノ瀬じゃん。人の『特別補佐』に、勝手に触んなよ」

律先輩はソファから立ち上がると、ポケットに手を突っ込んだまま、一ノ瀬くんを見下ろした。学園の頂点(3年会長)と、1年の天才秀才。密室の中で、過去最大の嫉妬の火花が散る。

「特別補佐だか何だか知らねぇけど、こいつは俺のパシリなんだよ。……先輩、あんたがこいつを女として 気に入ってんの、丸分かりなんだわ。俺の女に、手ぇ出してんじゃねぇよ」

一ノ瀬くんが、本気のトーンで『俺の女』と言い放った。

(え、ええええっ……!? 一ノ瀬くん、今、なんて……っ!?)

メンズメイクの下の顔が、恥ずかしさと嬉しさで爆発しそうに熱くなる。