『イケメンになりたい!』で始めた学校生活、モテすぎてハーレム状態!?もう戻れない...

至近距離の彼の顔に、心臓が跳ね上がる。

「……シトラスの匂い。 あの眼鏡の先輩の香水だろ。 お前、俺の言うこと聞くなって言ったのに、また生徒会室行ってたな?」

「あ……っ」

一ノ瀬くんの鋭すぎる直感(嫉妬のレーダー)に、私の身体がすくみ上がる。

「お前、本当にあの先輩に飼い慣らされたいわけ? 秘書だか何だか知らねぇけど、お前の主人は俺だろ」

一ノ瀬くんは私の両肩をガシッと掴むと、教室の後ろの黒板に、大きな音を立てて私を押し付けた。

いわゆる『黒板ドン』の状態だ。クラスの女子たちから「ひゃあああっ!」と絶叫が上がる。

「一ノ瀬くん、みんなが見てるよ……っ、離して……!」

私は必死に低めの声で抵抗した。だけど、一ノ瀬くんの掴む力は強くなる一方で、その瞳は本気で怒り、そして嫉妬に歪んでいた。

「見られても関係ねぇよ。 お前が俺の言うこと聞かないのが悪いんだろ。……あの先輩に、何された」

「何もされてないよ! 高級サンドイッチ食べさせられただけ!」

「あーん、とかされたんじゃねぇの?」

「――っ! な、なんで分かるの!?」

私の図星の反応に、一ノ瀬くんの顔が一気に引きつった。

「……マジかよ。 あの陰険眼鏡先輩、マジで許さねぇ」

一ノ瀬くんは私の顎をグイッと持ち上げると、クラス中の全員に見せつけるように、私の唇のすぐ数ミリの距離まで自分の顔を近づけた。

「おい小鳥遊。お前のその可愛い顔も、女の子の声も、全部俺だけのものだ。あの先輩に1ミリでも触らせたら、俺が今ここで、 お前が女の子だってこと、全員の前で大声で暴露するからな」