「バラしてない! バラしてないよ、一ノ瀬くん……っ」
私は涙目になりながら、一ノ瀬くんの胸元を小さく押し返した。嘘はついていない。私からバラしたのではなく、神楽坂先輩が勝手に見抜いたのだから。
「……じゃあ、なんであいつのところに2時間もいたんだよ」
一ノ瀬くんは、少しだけ肩の力を抜いたけれど、私の両肩を掴んだ手は決して離そうとしない。
彼の少し荒い吐息が、静まり返った教室に白白と響く。
「神楽坂先輩、女子にはめちゃくちゃ冷たいけど、気に入った男の奴には容赦ないぞ。……お前みたいな隙だらけのやつ、あいつの側にいたら、いつ正体がバレるか分かんねぇだろって言ってんだよ」
「……一ノ瀬くん」
(あ……。一ノ瀬くん、本当に僕のことを心配してくれてるんだ……)
冷徹で、いつも私をパシリとして扱っている彼。でも、その言葉の裏には、私への確かな『独占欲』と『保護欲』が隠されていることに、私は気づいてしまった。
「……もう、生徒会室には行くな。神楽坂先輩のパシリなんて、お前には荷が重すぎる」
一ノ瀬くんは少しぶっきらぼうに言うと、私の頭を包み込むようにして、自分の胸元へと引き寄せた。
制服越しに伝わる、彼の大きな身体の熱。私はその温かさに、ただただじっと、身を委ねるしかなかった。
「……でも、僕、先輩と『約束』しちゃったから……行かないわけにはいかないんだ」
僕のその呟きに、一ノ瀬くんの身体がピクッと強張った。
二人のイケメン男子の間で、私の男装生活は、引き返せない泥沼の三角関係へと足を踏み入れていた。
私は涙目になりながら、一ノ瀬くんの胸元を小さく押し返した。嘘はついていない。私からバラしたのではなく、神楽坂先輩が勝手に見抜いたのだから。
「……じゃあ、なんであいつのところに2時間もいたんだよ」
一ノ瀬くんは、少しだけ肩の力を抜いたけれど、私の両肩を掴んだ手は決して離そうとしない。
彼の少し荒い吐息が、静まり返った教室に白白と響く。
「神楽坂先輩、女子にはめちゃくちゃ冷たいけど、気に入った男の奴には容赦ないぞ。……お前みたいな隙だらけのやつ、あいつの側にいたら、いつ正体がバレるか分かんねぇだろって言ってんだよ」
「……一ノ瀬くん」
(あ……。一ノ瀬くん、本当に僕のことを心配してくれてるんだ……)
冷徹で、いつも私をパシリとして扱っている彼。でも、その言葉の裏には、私への確かな『独占欲』と『保護欲』が隠されていることに、私は気づいてしまった。
「……もう、生徒会室には行くな。神楽坂先輩のパシリなんて、お前には荷が重すぎる」
一ノ瀬くんは少しぶっきらぼうに言うと、私の頭を包み込むようにして、自分の胸元へと引き寄せた。
制服越しに伝わる、彼の大きな身体の熱。私はその温かさに、ただただじっと、身を委ねるしかなかった。
「……でも、僕、先輩と『約束』しちゃったから……行かないわけにはいかないんだ」
僕のその呟きに、一ノ瀬くんの身体がピクッと強張った。
二人のイケメン男子の間で、私の男装生活は、引き返せない泥沼の三角関係へと足を踏み入れていた。

