『イケメンになりたい!』で始めた学校生活、モテすぎてハーレム状態!?もう戻れない...

生徒会室での『秘書』としての初仕事を終え、すっかり外が暗くなった頃、私はようやく解放された。

「お疲れ様、ツムギくん。明日も放課後、遅れずに来てくださいね」

「……はい。お疲れ様でした、先輩」

私はぐったりとした足取りで生徒会室を後にした。

エレベーターを降り、誰もいない夜の廊下を歩きながら、私は長いため息をつく。

(はぁ……。初日からこれじゃ、これから毎日どうなっちゃうの? 一ノ瀬くんのパシリの仕事もあるし、私の身体、一つじゃ足りないよ……)

そんなことを考えながら、自分のクラスの教室へと戻ってきた。

一ノ瀬くんに頼まれていた数学のプリントを、彼の机の中に入れておくためだ。

夜の教室は、街灯の光がうっすらと差し込んでいて、どこか幻想的な雰囲気が漂っている。ガラガラ……と引き戸を開け、一ノ瀬くんの席へと近づく。

「……よし。これでパシリの仕事も完了。あとは家に帰って――」

「おい。どこ行ってたんだよ、お前」

暗闇の中から、突如として低く冷たい声が響いた。

「ひゃっ!?」と短い悲鳴を上げて飛び上がると、教室の一番後ろの席、私の隣の席の暗がりに、一人の男子が座っていた。

サラサラの茶髪を少し乱し、不機嫌そうに頬杖をついている。……一ノ瀬くんだ。

「い、一ノ瀬くん!? なんでまだ学校にいるの? 部活は……」

「お前が参考書持ってすぐ戻るって言ったから、ずっと待ってたんだけど。……2時間も、ここでな」

一ノ瀬くんはゆっくりと立ち上がると、夕闇の中で、ギラギラとした鋭い瞳で私を睨みつけてきた。

その目には、いつもの意地悪な光ではなく、明らかな『怒り』と……そして、焦りのような感情が渦巻いていた。