『イケメンになりたい!』で始めた学校生活、モテすぎてハーレム状態!?もう戻れない...

「そ、そうかな? 街中で女子に声をかけられたら困るから、一応ね」

私は照れ隠しに、ストローでココアをぐるぐると混ぜた。

「ふーん。……まぁ、お前がその格好で大人しくしてりゃ、どこからどう見ても『ちょっと可愛い男子高校生』だけどな」

一ノ瀬くんがクスッと笑った、その瞬間。

「キャーッ! 見て、あのテニス席の男の子たち、めちゃくちゃイケメン……!」
「左の子、碧ノ海学園の制服の写真で見た、1年のツムギくんじゃない!?」

テラス席のすぐ横の歩道を通りかかった、他校の女子高生たちが、私に気づいて一斉に立ち止まった。

「本物だ!」「私服も王子様!」と、あっという間にテラスの柵越しに小さな人だかりができ始める。

(うわわ……っ! 休日なのに、街中でハーレム状態になっちゃった!?)

「ツムギくん! 写真撮ってもいいですか!?」

女子たちのキラキラした視線が、私をロックオンする。

断るのはポリシーに反するけれど、今は一ノ瀬くんとの『秘密のパシリ中』だ。

「あ、ええと……ごめんね、今は友達と勉強中だから――」

僕が困って眉を下げると、隣にいた一ノ瀬くんが、すっと立ち上がった。彼は私の肩をグイッと自分の方へ引き寄せると、女子たちに向かって、冷淡で容赦のない視線を向けた。

「悪いけど、こいつ今、俺との時間だから。邪魔しないでくれる?」