あの衝撃の文化コンクールから、数週間が経った。
全校生徒の前で「私は女の子です」と大告白し、さらに一ノ瀬くんが「俺は紬の彼氏だ」と大宣言したあの日、学校中がひっくり返るほどの大騒ぎになったのは言うまでもない。私の完璧な男装ハーレム学園生活は、あのステージの上で文字通り粉々に崩壊した。
だけど、お昼休みを迎えた今日の中庭は、信じられないほど穏やかな太陽の光に包まれている。
「ほら、お前の好きな卵焼き。早く食えよ」
「あ、ありがとう、一ノ瀬くん。あーん……うん、やっぱり一ノ瀬くんの作る卵焼き、世界一美味しい!」
「……バカ、外で大きい声で言うなっての。照れるだろ」
中庭の大きな桜の木の木陰にあるベンチ。私は今、男装のウィッグをすっかり外し、肩まで伸びた自分の髪を小さく結んで、一人の女の子『月白紬』として一ノ瀬くんの隣に座っていた。
お互いのお弁当のおかずを交換し合う、付き合いたての秘密……ではなく、今や全校生徒が知る本物の恋人同士としての、甘くて静かなお昼休み。
「あ、見て。あそこにいるの、ツムギ様……じゃなくて、紬ちゃんだよね?」
ふいに、近くの芝生に座っている数人の女子生徒たちの話し声が、風に乗って私たちの耳に届いた。
かつて私の後ろを黄色い悲鳴を上げて追いかけてくれていた、ファンの女の子たちだ。私は思わずお箸を持ったまま体を強張らせ、一ノ瀬くんのブレザーの袖をぎゅっと掴んだ。
正体を明かした直後は、みんなに「騙された」って嫌われて、もう二度とこんな風に学校で笑い合えないかもしれないって、すごく怖かった。
だけど、聞こえてきた彼女たちの言葉は、私の予想を180度覆すものだった。
「うん、紬ちゃん、男装の時も王子様みたいで最高だったけど、女の子に戻ったら信じられないくらい可愛いよね!」
「それな! しかも文化コンクールの時の告白、マジで芯が強くて感動しちゃった。騙しててごめんって泣いてるの、守ってあげたくなっちゃったもん」
女の子たちの純粋な褒め言葉に、私の顔が一気にポッと赤くなる。一ノ瀬くんは頬杖をついたまま、「フン」と少し面白くなさそうに、だけど耳の端を真っ赤にして彼女たちの会話に耳を傾けていた。
全校生徒の前で「私は女の子です」と大告白し、さらに一ノ瀬くんが「俺は紬の彼氏だ」と大宣言したあの日、学校中がひっくり返るほどの大騒ぎになったのは言うまでもない。私の完璧な男装ハーレム学園生活は、あのステージの上で文字通り粉々に崩壊した。
だけど、お昼休みを迎えた今日の中庭は、信じられないほど穏やかな太陽の光に包まれている。
「ほら、お前の好きな卵焼き。早く食えよ」
「あ、ありがとう、一ノ瀬くん。あーん……うん、やっぱり一ノ瀬くんの作る卵焼き、世界一美味しい!」
「……バカ、外で大きい声で言うなっての。照れるだろ」
中庭の大きな桜の木の木陰にあるベンチ。私は今、男装のウィッグをすっかり外し、肩まで伸びた自分の髪を小さく結んで、一人の女の子『月白紬』として一ノ瀬くんの隣に座っていた。
お互いのお弁当のおかずを交換し合う、付き合いたての秘密……ではなく、今や全校生徒が知る本物の恋人同士としての、甘くて静かなお昼休み。
「あ、見て。あそこにいるの、ツムギ様……じゃなくて、紬ちゃんだよね?」
ふいに、近くの芝生に座っている数人の女子生徒たちの話し声が、風に乗って私たちの耳に届いた。
かつて私の後ろを黄色い悲鳴を上げて追いかけてくれていた、ファンの女の子たちだ。私は思わずお箸を持ったまま体を強張らせ、一ノ瀬くんのブレザーの袖をぎゅっと掴んだ。
正体を明かした直後は、みんなに「騙された」って嫌われて、もう二度とこんな風に学校で笑い合えないかもしれないって、すごく怖かった。
だけど、聞こえてきた彼女たちの言葉は、私の予想を180度覆すものだった。
「うん、紬ちゃん、男装の時も王子様みたいで最高だったけど、女の子に戻ったら信じられないくらい可愛いよね!」
「それな! しかも文化コンクールの時の告白、マジで芯が強くて感動しちゃった。騙しててごめんって泣いてるの、守ってあげたくなっちゃったもん」
女の子たちの純粋な褒め言葉に、私の顔が一気にポッと赤くなる。一ノ瀬くんは頬杖をついたまま、「フン」と少し面白くなさそうに、だけど耳の端を真っ赤にして彼女たちの会話に耳を傾けていた。


