『イケメンになりたい!』で始めた学校生活、モテすぎてハーレム状態!?もう戻れない...


「だから、どうかこうしてください。誰に何を言われても、本当の自分の気持ちにだけは、絶対に嘘をつかないで。大好きな人がいるなら、傷つくのを恐れてカッコつけたりしないで、真っ直ぐに向き合ってください」


私はステージの端で眼鏡の奥の瞳を揺らしている律先輩、そしていつも完璧な笑顔を消して私を見つめている神楽坂先輩の方を一度見つめ、それから、隣に立つ一ノ瀬くんの姿をそっと視線で捉えた。


「私が毎日いつ崩壊するか分からない恐怖に怯えながらも、今日までこうして前を向いてこられたのは、私の本当の姿を知った上で、隣で支え続けてくれた、大切な人がいたからです。嘘の自分で作られた何百人ものハーレムに囲まれるより、たった一人でも、本当の自分を愛してくれる人が隣にいてくれることが、どれだけ幸せで、どれだけ強くなれるか……私はこの学校で、彼に教えてもらいました」


一ノ瀬くんの大きな瞳が、私の言葉を受けて優しく、だけど熱く揺れる。

私が学校中の全校生徒の前で、彼への想いと、彼のおかげで変われた自分を堂々と宣言している。

周りの目がどうあれ、これが私の、大好きな彼氏への目一杯の誠意だった。


「だからみんなも、誰かのための『完璧な自分』なんて演じなくていいんです。ドジでも、弱虫でも、本当の自分を曝け出して、それを全部受け止めてくれるたった一人の大切な人を、どうか命がけで大切にしてください。私みたいに嘘を重ねて、大切な人を巻き込んで傷つけるような後悔は……みんなには、絶対にしてほしくないから……っ」


言葉の終盤、また胸がギューッと締め付けられて声が震えそうになったけれど、私はマイクを両手でしっかりと握りしめ、客席の女の子たちへ向かって、もう一度、今度は心からの願いを込めて深く頭を下げた。