『イケメンになりたい!』で始めた学校生活、モテすぎてハーレム状態!?もう戻れない...

「神楽坂先輩……っ、副会長のところですか?」

「あぁ。彼、神楽坂は映音部の顧問や部長と個人的に非常に繋がりが強くてね。ステージ当日の機材の最終チェックや配置の権限は、実質的に彼が握っているんだ。僕の許可証があっても、現場の神楽坂が首を縦に振らなければ、一ノ瀬くん、君は機材スペースから力ずくで叩き出されることになるよ」 

律先輩はペンを回しながら、どこか意地の悪い、だけど的確なアドバイスをくれた。

確かに、生徒会副会長である神楽坂先輩の協力があれば、当日の作戦の確実性は一気に跳ね上がる。

「わかった。ありがとな、会長。……行くぞ、ツムギ」

一ノ瀬くんは律先輩のサインが入った書類を受け取ると、私の細い肩をガシッと力強く引き寄せ、生徒会室の隣にある副会長室へと向かうために歩き出した。

背後から「精々、僕の可愛い紬を泣かせないように頑張ることだね、一ノ瀬くん」という律先輩の冷徹な声が聞こえたけれど、一ノ瀬くんはフンと鼻で笑って無視した。

カチャリ、と隣の副会長室のドアを開けると、そこには眩いばかりの華やかなオーラを纏った神楽坂先輩が、ソファに優雅に腰掛けていた。

ウェーブがかった髪を軽く揺らし、完璧な王子様スマイルを浮かべて、彼は私たちの登場を待っていたかのように目を細める。

「おやおや、ツムギくん。それに一ノ瀬くんも。二人揃って僕の部屋に来てくれるなんて、前のスポーツ祭の熱気がまだ冷めていないのかな?」

神楽坂先輩の軽やかで余裕のある副会長としての話し方に、私は息をごくりと呑んだ。

ここからが、本当の交渉の第二幕。私たちが一歩踏み出すと、神楽坂先輩はテーブルの上のお茶に視線を落としながら、艶やかに微笑んだ。