昨晩、私の家で一ノ瀬くんと立てた作戦を実行するため、私たちは翌日の放課後、すぐに行動を開始した。
「おい、ツムギ。準備はいいか?」
クラスの生徒たちが部活動や下校のために散っていく中、一ノ瀬くんが私の席の横にやってきて、周囲に聞こえないくらいの低い声で私に促した。
「うん。……ちょっと緊張するけど、一ノ瀬くんが一緒なら大丈夫」
私はいつものイケメン『ツムギ』としての完璧な王子様スマイルを崩さないようにしながら、カバンを持って席を立った。
付き合いたての秘密の恋人同士。だけど今は、私たちの未来を守るための戦友でもある。
並んで歩く一ノ瀬くんの大きな背中を見つめながら、私は胸の奥を熱く焦がしていた。
私たちが向かったのは、校舎の最上階にある静まり返った生徒会室。
重い木製のドアの前に立ち、私は一度深く息を吸い込んでから、カチャカチャとドアノブを回して扉を開けた。
「失礼します……」
放課後の夕暮れの光が差し込む広い部屋の奥。
大きなデスクに腰を掛け、真剣な目で書類に目を通していた生徒会長の律先輩が、眼鏡の奥の瞳をゆっくりとこちらに向けた。
「ツムギ。それに一ノ瀬も一緒か。前回あれほど俺が警告したのに、また二人で俺のところに何の用だ?」
律先輩の声は、相変わらず氷のように冷ややかで、すべてを見透かしたような大人の余裕に満ちていた。隣にいる一ノ瀬くんの大きな肩がピキリと一瞬で怒りに強張る。
だけど、一ノ瀬くんは昨日の約束通り、ここで感情的に牙を剥くことはしなかった。彼はポケットに手を突っ込んだまま、律先輩のデスクの前へと堂々とした足取りで進み出た。
「あのクソ女の件だ、会長。あいつ、生徒会の目が届かねぇ場所で、文化コンクールの当日にツムギの写真を流す準備を進めてやがる。だから、俺たちにその阻止を協力させろ」
一ノ瀬くんのストレートで力強い口調に、律先輩は眼鏡のブリッジを長い指先で静かに押し上げ、面白そうに目を細めた――。
「おい、ツムギ。準備はいいか?」
クラスの生徒たちが部活動や下校のために散っていく中、一ノ瀬くんが私の席の横にやってきて、周囲に聞こえないくらいの低い声で私に促した。
「うん。……ちょっと緊張するけど、一ノ瀬くんが一緒なら大丈夫」
私はいつものイケメン『ツムギ』としての完璧な王子様スマイルを崩さないようにしながら、カバンを持って席を立った。
付き合いたての秘密の恋人同士。だけど今は、私たちの未来を守るための戦友でもある。
並んで歩く一ノ瀬くんの大きな背中を見つめながら、私は胸の奥を熱く焦がしていた。
私たちが向かったのは、校舎の最上階にある静まり返った生徒会室。
重い木製のドアの前に立ち、私は一度深く息を吸い込んでから、カチャカチャとドアノブを回して扉を開けた。
「失礼します……」
放課後の夕暮れの光が差し込む広い部屋の奥。
大きなデスクに腰を掛け、真剣な目で書類に目を通していた生徒会長の律先輩が、眼鏡の奥の瞳をゆっくりとこちらに向けた。
「ツムギ。それに一ノ瀬も一緒か。前回あれほど俺が警告したのに、また二人で俺のところに何の用だ?」
律先輩の声は、相変わらず氷のように冷ややかで、すべてを見透かしたような大人の余裕に満ちていた。隣にいる一ノ瀬くんの大きな肩がピキリと一瞬で怒りに強張る。
だけど、一ノ瀬くんは昨日の約束通り、ここで感情的に牙を剥くことはしなかった。彼はポケットに手を突っ込んだまま、律先輩のデスクの前へと堂々とした足取りで進み出た。
「あのクソ女の件だ、会長。あいつ、生徒会の目が届かねぇ場所で、文化コンクールの当日にツムギの写真を流す準備を進めてやがる。だから、俺たちにその阻止を協力させろ」
一ノ瀬くんのストレートで力強い口調に、律先輩は眼鏡のブリッジを長い指先で静かに押し上げ、面白そうに目を細めた――。


