「うん……。次の行事……『全校芸術文化コンクール』のステージ発表の時に、全校生徒の前でこの写真を流すって……」
私はスマートフォンを差し出し、あの残酷なやり取りが残ったDMの画面を一ノ瀬くんに見せた。
一ノ瀬くんは無言で画面をスクロールしながら、スマホを握る大きな手にギリギリと力が籠る。彼の額に、怒りで青筋が浮かんでいくのが分かって、私は身をすくめた。
「『生徒会が手を出せない方法で準備を進めてる』……だぁ? ナメやがって」
一ノ瀬くんは低く舌を打ち、スマホをテーブルにドンと置いた。
「なぁ、紬。文化コンクールのステージ裏の管理って、確か映音部(映像音楽部)の奴らが仕切ってんだよな。あの女、そこに入り込んでデータを直前に差し替える気だわ」
「え……? 映音部……?」
「あぁ。生徒会(律先輩)がいくら全体を警戒してても、現場の部活の機材まで四六時中見張れるわけじゃねぇ。直前のドタバタに紛れて、プログラムの映像にこの写真を仕込めば、律の奴だって止めるのは間に合わねぇからな」
一ノ瀬くんの冷静で的確な分析に、私はハッと目を見開いた。
さすがは一ノ瀬くん、学校の裏の仕組みや、トラブルの起こりそうな場所を本当によく知っている。
「じゃあ……どうすればいいの? 映音部の人たちに、事前にデータをチェックしてもらうように頼む……?」
「いや、それじゃ弱い。あの女がどのタイミングで仕掛けてくるか分かんねぇ以上、網を張るなら、ステージの本番当日……それも、上映が始まる直前の『その瞬間』しかねぇ」
一ノ瀬くんはソファの背もたれに体を預け、不敵に口元を歪めた。
ピンチのはずなのに、彼のその堂々とした態度を見ていると、不思議と「なんとかなるかもしれない」という強い希望が、私の胸の中に湧き上がってくるのを感じていた。
私はスマートフォンを差し出し、あの残酷なやり取りが残ったDMの画面を一ノ瀬くんに見せた。
一ノ瀬くんは無言で画面をスクロールしながら、スマホを握る大きな手にギリギリと力が籠る。彼の額に、怒りで青筋が浮かんでいくのが分かって、私は身をすくめた。
「『生徒会が手を出せない方法で準備を進めてる』……だぁ? ナメやがって」
一ノ瀬くんは低く舌を打ち、スマホをテーブルにドンと置いた。
「なぁ、紬。文化コンクールのステージ裏の管理って、確か映音部(映像音楽部)の奴らが仕切ってんだよな。あの女、そこに入り込んでデータを直前に差し替える気だわ」
「え……? 映音部……?」
「あぁ。生徒会(律先輩)がいくら全体を警戒してても、現場の部活の機材まで四六時中見張れるわけじゃねぇ。直前のドタバタに紛れて、プログラムの映像にこの写真を仕込めば、律の奴だって止めるのは間に合わねぇからな」
一ノ瀬くんの冷静で的確な分析に、私はハッと目を見開いた。
さすがは一ノ瀬くん、学校の裏の仕組みや、トラブルの起こりそうな場所を本当によく知っている。
「じゃあ……どうすればいいの? 映音部の人たちに、事前にデータをチェックしてもらうように頼む……?」
「いや、それじゃ弱い。あの女がどのタイミングで仕掛けてくるか分かんねぇ以上、網を張るなら、ステージの本番当日……それも、上映が始まる直前の『その瞬間』しかねぇ」
一ノ瀬くんはソファの背もたれに体を預け、不敵に口元を歪めた。
ピンチのはずなのに、彼のその堂々とした態度を見ていると、不思議と「なんとかなるかもしれない」という強い希望が、私の胸の中に湧き上がってくるのを感じていた。


