『イケメンになりたい!』で始めた学校生活、モテすぎてハーレム状態!?もう戻れない...

私の大活躍で勢いに乗った我がクラスは、午後の最終種目『クラス対抗騎馬戦』でも怒涛の快進撃を続けていた。

その中心にいたのは、やっぱり一ノ瀬くんだった。


彼はクラスの騎馬のトップに立ち、圧倒的な体格と鋭い眼差しで、他クラスの帽子を次々と奪い取っていく。

その野性的で容赦のない強さに、グラウンドからは悲鳴に似た大歓声が沸き起こっていた。


「いけ、一ノ瀬――っ!!」

私も声を枯らして応援する中、ついに決勝戦。相手の強力な騎馬と一ノ瀬くんの騎馬が、激しく正面からぶつかり合った。

「……らあぁッ!!」

一ノ瀬くんが強引に相手の帽子を掴み取った瞬間、グラウンドにホイッスルが鳴り響いた。

「勝者、3年B組――っ!!」の実況と共に、うちのクラスの総合優勝が決まった。

だけど、歓声に沸くグラウンドの中で、私は一ノ瀬くんの異変にいち早く気がついた。

騎馬から降りた彼は、ホッとしたように小さく息を吐いた後、顔をしかめて右足の足首をそっと庇うように押さえたのだ。着地の瞬間に、少し捻ってしまったらしい。

「一ノ瀬くん……っ!」

私が慌てて駆け寄ろうとしたけれど、周囲の男子たちが「マジでお前最高だわ!」「MVPだな!」と一ノ瀬くんに群がり、さらにファンの女子たちも押し寄せて、彼への呼びかけは歓声にかき消されてしまった。

一ノ瀬くんは男子たちに肩を貸してもらいながら、小さく苦笑いして保健室の方へと歩いていく。

そして、その熱狂のまま、スポーツ祭のすべての競技が終了を告げた。

夕方になり、閉会式や片付けがすべて終わる頃には、グラウンドにあれだけ響いていた歓声が嘘のように静まり返っていた。オレンジ色の切ない夕暮れの光が、長く伸びた影を校庭に落としている。

一ノ瀬くん、怪我……大丈夫かな……

教室での解散が告げられた瞬間、私はカバンを掴んで、誰よりも早く教室を飛び出した。

女子たちの「ツムギ様、一緒に帰ろ?」という声をなんとか優しく断り、胸の鼓動をバクバクと鳴らしながら、昼間に彼と約束した『校舎の裏手』へと足早に向かう。


誤解を解いて、自分の本当の気持ちを全部伝えるんだ。

怪我をした彼のことが心配でたまらない気持ちと、ついに訪れる告白の瞬間の緊張で、私の心臓は壊れてしまいそうなくらい激しく脈打っていた――。