男装生活において、最大の難所。
それが『体育の授業』だ。私立碧ノ海学園は新設校ということもあり、体育の授業は男子と女子で完全に分かれている。
それはありがたいのだけれど、問題は男子側の授業内容だった。
「よし、今日は男子全員でバスケのミニゲームをやるぞ!」
体育教師の豪快な声に、私は絶望した。バスケ。それは激しい身体接触(リバウンド争いなど)が発生するスポーツ。
もし男子生徒と激しくぶつかり合ったら、ナベシャツの感触で女子だと一発でバレてしまうかもしれない。
「小鳥遊、お前俺と同じチームな。ヘマすんなよ」
一ノ瀬くんが、ユニフォームのビブスを私に投げながら意地悪く笑う。
彼は私が女子だと知っているからこそ、この状況を楽しんでいるに違いない。
「……一ノ瀬くん、お願いだから僕にボール回さないでね。大人しく隅っこにいるから」
「やだね。パシリの仕事っぷり、見せてもらおうじゃん」
試合が始まると、一ノ瀬くんは驚異的な身体能力で次々とゴールを決めていった。
さすが特進クラスの天才、運動まで完璧らしい。
私はといえば、バレる恐怖から、男子生徒が近づいてくるたびに「おっと!」と華麗に(必死に)フェイントで避けていた。
「おい、小鳥遊! パス!」
一ノ瀬くんからの鋭いパスが飛んでくる。「わっ!」と慌ててキャッチした瞬間、相手チームの体格の良い男子が、正面から私をブロックしに突っ込んできた。
(危ない――接触する……っ!?)
恐怖で目を瞑った、その時。ガシッ!!強い力で、私の身体が後ろへと引き戻された。
それが『体育の授業』だ。私立碧ノ海学園は新設校ということもあり、体育の授業は男子と女子で完全に分かれている。
それはありがたいのだけれど、問題は男子側の授業内容だった。
「よし、今日は男子全員でバスケのミニゲームをやるぞ!」
体育教師の豪快な声に、私は絶望した。バスケ。それは激しい身体接触(リバウンド争いなど)が発生するスポーツ。
もし男子生徒と激しくぶつかり合ったら、ナベシャツの感触で女子だと一発でバレてしまうかもしれない。
「小鳥遊、お前俺と同じチームな。ヘマすんなよ」
一ノ瀬くんが、ユニフォームのビブスを私に投げながら意地悪く笑う。
彼は私が女子だと知っているからこそ、この状況を楽しんでいるに違いない。
「……一ノ瀬くん、お願いだから僕にボール回さないでね。大人しく隅っこにいるから」
「やだね。パシリの仕事っぷり、見せてもらおうじゃん」
試合が始まると、一ノ瀬くんは驚異的な身体能力で次々とゴールを決めていった。
さすが特進クラスの天才、運動まで完璧らしい。
私はといえば、バレる恐怖から、男子生徒が近づいてくるたびに「おっと!」と華麗に(必死に)フェイントで避けていた。
「おい、小鳥遊! パス!」
一ノ瀬くんからの鋭いパスが飛んでくる。「わっ!」と慌ててキャッチした瞬間、相手チームの体格の良い男子が、正面から私をブロックしに突っ込んできた。
(危ない――接触する……っ!?)
恐怖で目を瞑った、その時。ガシッ!!強い力で、私の身体が後ろへと引き戻された。

