『イケメンになりたい!』で始めた学校生活、モテすぎてハーレム状態!?もう戻れない...

一ノ瀬くんに男装がバレて、彼の『専属パシリ』に任命されてから一週間が経った。

私の学校生活は、今や完全に二つの顔を持つようになっていた。

クラスの女子たちの前では、物腰柔らかく、誰にでも気配りができる完璧な『優しい王子様』。

「ツムギくん、今日もカッコいいね!」
「ありがとう。その笑顔のおかげで、今日も頑張れそうだよ」

フワッと微笑むだけで、女子たちが胸を押さえてバタバタと倒れていく。

我ながら完璧なハーレムの主だ。――なのに。

「おい、小鳥遊。早くしろよ。チャイム鳴るぞ」

一歩教室を出れば、隣の席の一ノ瀬くんの冷たい声が飛んでくる。

私は女子たちの目を盗みながら、一ノ瀬くんに頼まれた数学のノートや、購買で走って買ってきた冷たい炭酸ジュースを彼の机にそっと置く。

「……はい、これ。注文通りのジュース」

「お、サンキュ。炭酸抜けてないじゃん、合格」

一ノ瀬くんは満足そうにジュースを一口飲むと、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた。

私の男装の秘密を完全に握っている彼は、学校の誰も知らない『女の子の私』を唯一知っている存在。

女子に囲まれてチヤホヤされる天国と、一ノ瀬くんに顎で使われる地獄。

この二重生活が、私の波乱万丈な毎日の日常になっていた。