白手 憂怜の怖いお手紙


「ここは事故物件とかなんですか?」


父が切り出すと、大家さんは『いいえ』と返しました。


『その家は、私も知り合いから頼まれて管理をしていた物件で…調べたんですが、事故物件ではありませんでした』


「では…何でこんなに頻繁に幽霊が?」


『私も気になり、そういう物の供養をなされているお寺のご住職を呼んで見てもらったんです。…そうしたら__』


そのご住職の答えはこうだったそうです。

“この家は霊道…霊の通り道になっている”__。


『何とかお祓いできませんか?と聞いたんですが、この土地自体がいけないらしくて。祓ってもまた現れるだろうとの事でした』


母が最初に予想していた通り、大家さんもこの家の掃除でよく出入りしていたそうで、その時に何度か幽霊を見たらしいです。

それで不気味に思い、早くこの家を手放したくて幽霊が出る事を私達に黙っていたと。

そう申し訳なさそうに言っていたそうです。

お金は全額返金してくれるとの事でしたが、家族皆で話し合った結果…私達はここに住み続ける事にしました。

単純に、ペットOKの新しい家を探すのが難しく、そういう所は費用も高いという理由と…もう一つ。

猫は家に慣れるというので、今さら子猫の環境を変えるのはどうかというのが理由として上がりました。