白手 憂怜の怖いお手紙


続いて父ものぞき込み、私も恐る恐る床に伏せてベッドの下を確認しました。

すると、本当にそこには誰もいません。


「姉ちゃん、寝ぼけたんじゃね?」


ケラケラと笑う弟の横で、私は呆然としていました。

だって、確かに見たんです。

ベッドの下に横たわる、男の人の血走った目を。

それでも結局、「疲れていて何かを見間違えたんだろう」という父の結論で騒動は終わり…私は再び、部屋で一人になりました。

電気を点けたまま、仕方なく無理矢理に眠りにつきます。

クーラーのついてない部屋で頭まで布団を被り、扇風機の風量をマックスに上げて、ベッドのある方向と逆向きに寝ました。

そうしないと、またあの男の人と目が合いそうで怖かったんです。

異変はその日だけでは終わりませんでした。

翌日の朝、台所にいた母がお皿を落として割ってしまったんです。

ちょうどその光景を目の当たりにした私は「お皿落とすとか珍しいね」と言って掃除を手伝っていると、母はこう言いました。


「台所の窓に人の顔があって…」


この家の台所は壁側にあり、少し大きめの窓があるのですが…そこに顔を押し付けるように人の顔が浮かび上がっていたというのです。

私は昨日の、ベッドの下にいた男の人を思い出しました。