配信が終わり、いやに寒い部屋の温度に気づく。
故障しているクーラーは動いていない。
扇風機からは相変わらず生ぬるい風が吹いていて、私は首を傾げる。
ふと、クローゼットの扉が僅かに開いているのが見えた。
憂怜ちゃんと呼ばれていた彼女の言葉を思い出して、ぶるりと体が震える。
“一人になった時、そこに気配を感じたら……”
“あなたの隣にも、それはいるかもね”
この寒さが、あの隙間の先に見える闇から漏れ出ているような気がした。
まさかね。
そんなわけない。
幽霊なんていない。
そうは思いつつもクローゼットに近寄る事ができなくて、私はベッドの上で布団にくるまる。
ふと、気配を感じて。
視線を布団の中に向けた。
そこには――
真っ白な顔で笑う、女の人の顔があった。



