白手 憂怜の怖いお手紙


「なんだよ、なんにも起きないじゃん」


「楽勝すぎっしょ~」


「ヤダ、クモの巣引っかかったんだけど、最悪!」


皆が何事もなく帰ってきて、残るは僕だけとなった時。

最初に肝試しを終わらせたAが「あっ!」と声を上げました。


「悪い、俺どっかにカメラ忘れてきたかも!お前さぁ、ついでに探してきてくんね?なっ!頼む!」


彼は申し訳なさそうに僕の肩をポンと叩きました。

Aのやつ、カメラなんて持ってたっけ……?

自分の記憶にはない……そう思いましたが、断る理由もありません。

僕は頷いて、月明かりに照らされた薄暗い砂利道を進みました。

辺りを慎重に歩きながら目を凝らします。

だけど見つかるのは潰れた空き缶やペットボトル、不法投棄された粗大ゴミなどで目当てのカメラは見つかりません。

蒸し暑く、カビ臭さが鼻をつく中で10分以上は探していたと思います。

水なども持ってきていなかったので、このままでは熱中症になるのではと感じ……結局カメラ探しは諦めて帰る事にしたんです。

あと少しで神社に戻れるといった時、皆の声が聞こえました。


「アイツ今頃、俺がマジでカメラ忘れてるって思って必死に探してるぜ?きっと!」


アイツって……僕の事?

思わず気配を消して木の後ろに隠れました。