白手 憂怜の怖いお手紙


彼の提案に、全員が大袈裟に驚きながらも「行きたい」と口を揃えます。


「お前も行くだろ?」


そう言われて肩を組まれます。

返事に戸惑ったのはこれが初めてでした。

お恥ずかしながら、僕は肝試しという言葉に怯えてしまったのです。

それを見たAが眉をひそめて声のトーンを下げました。


「なに?嫌なわけ?」


全員の冷めた視線が突き刺さりました。

このままだとマズい。

彼らにハブられてしまえば、僕の学校生活が終わる……。

そんな気がして僕は必死に取り繕いました。


「もちろん行くに決まってる!面白そうだし!」


「そうこなくちゃ!じゃあ場所は――」


一週間後の夜、僕達5人の姿は近所で有名な神社の境内にありました。

神社……といっても、とうの昔に廃れて誰の管理も行き届いていない場所でしたから、人目はありません。

かつて神様がいたはずの神聖なその場所は、今や心霊スポットとして扱われており、投げ捨てられたゴミや落書きで汚れていました。


「一人ずつ神社の周りをぐるっと回って、ここに戻ってくるんだ。いいな?」


神社には境内を一周できるように砂利の敷かれた歩道がありました。

普通に歩けば5分ほどで戻ってこられる長さです。

それならば、何も起こらないだろう。

僕は胸をなで下ろしました。

Aから順番に回っていき、前の人が帰ってきたら次の人が出発する。

そのルールで肝試しが始まります。