白手 憂怜の怖いお手紙


「あれから全くお会いしてないけど、元気やろうかねぇ」


「確か隣町に引っ越されたやろ?」


夫婦で会話を交わしながらなんとなく思い出してきた記憶を辿りました。

確かに一度だけ、ユウキ君とそのご家族と一緒にあの山に行った事がありました。

理由は……当時その山の近くにあったキャンプ場。

今は経営難で潰れてしまいましたが、その場所に二家族で遊びに行こうとしていました。

ちょうどお盆だったので、その前にお墓参りだけは済ませようとして……それにユウキ君達も手伝いにきてくれた。

そんな経緯だったと思います。


「その時、ユウキも見たって言ってた記憶があるんだよね……白無垢の女の人」


神妙な顔で話す娘。

それに息子がケラケラと笑います。


「それ、姉ちゃんとユウキ君が結婚する予兆とかやったんやないん?結婚に関する事やから白無垢で現れたとかやないん?」


「え?どういう事なん」


「本人おらんから教えるけどさ、ユウキ君、確か昔は姉ちゃんの事が好きやったはずよ。俺ユウキ君から聞いたもん」


息子の突然の告白に、全員の箸が止まりました。

そしてすぐに笑い声が上がります。


「なんそれ、初めて聞いた!あたしもユウキ好きやったのに惜しい事したやん!」


娘の言葉に私達が吹きだしました。