白手 憂怜の怖いお手紙


皆さん、うらめし夜。

早速ですが私の体験した怖い話を聞いていただけますか?

一人で抱え込むのはもう無理なんです。

それと遭遇したのは夏の夕方の路上でした。

当時15歳だった私は受験を控えており、親の勧めもあって近くの塾に通っていたんです。

家から歩いて10分くらいの近い距離なので、当然迎えの車もありません。

辺りには街灯も多かったし、治安も悪くない場所だったので帰り道が怖いとか……そういうのはなかったんです。

“それ”に気づくまでは……。

ある日の、事です。

いつものように塾が終わり、肩掛けのカバンを引っさげて帰路についていた私は、ある物に気づき足を止めました。

目の前にあった電柱の後ろに、女の人がいます。

真夏の中、赤いコートに赤いヒールの靴。

そして顔が見えないくらいの長い黒髪をした女の人でした。

猫背で、顔はうつむいたまま……ピクリとも動きません。

すぐに“これは人間じゃない”と気づきました。

実は、私には少しだけ霊感があります。

幼いころから他の人には見えない物……いわゆる“幽霊”が見える時がありました。

そういう時の私は決まって体中に鳥肌が立ち、背筋に寒さを感じるのですが……その赤い女の人を見た瞬間もそれを感じたのです。