ムカつく後輩は私のことが好きらしい

結局その日は二人揃って生徒指導の教師に説教された。

数十分経ってようやく解放された時にはもう新クラスの発表は終わっており、幼なじみの二人が迎えに来たことで、その日はもう湊と話すことはなかった。




蓮「それにしても。新学期初日に遅刻とか、真緒は相変わらず馬鹿だな。」

にやにやしながら言う。

こいつは鏑木蓮。真緒の幼なじみ。気が強い。蓮も真緒までとはいかないが、身長が低い。

海「ちょっ、蓮…!そんな言い方、真緒が可哀想だよ…」

こっちは望月海。真緒の幼なじみ。蓮とは対照的で気が弱く、シャイな一面もある。


真緒「遅刻したのはあいつが悪い。あの男に足止めされたから…。」

蓮「あの男?あー、さっき一緒に怒られてた奴?全然こりてなさそうだったけど。」

海「あの子、身長すごく高かったよね…。ふうが怒ってるのもそれが理由だったんだ。」

真緒「ぁ゙ー!思い出しただけでムカついてきた!」

蓮「まあまあ、落ち着けって。早く教室行くぞ。」

ぽん、と蓮が真緒の肩を軽く叩く。

海「僕たち、また一緒のクラスだよ。蓮と真緒以外に話せる人あんまりいないから、安心した。」

真緒「海はいい加減、そのコミュ障克服しろよ。」

真緒が呆れたように言う。

蓮「えー、海はそこがいいじゃん。さっきも新しいクラスのやつに話しかけられてキョドってんの、見てて面白かったし。」

海「見てたなら助けてよ…。」

蓮「悪かったって。」

蓮が背伸びして(背が低いので背伸びしなければとどかない)海の頭を撫でる。

海「れ、蓮、人前でこういうことは…!」


言い忘れてたが、この2人は付き合っている。

蓮は堂々と人前で海とイチャつこうとするので、学校で知らない人はいないだろうが。

真緒はこの2人の絡みは昔から見ているので慣れているが

真緒「お前ら…イチャつくなら家でしろよ。胸焼けする。」

蓮「えー。どこで何しようが俺らの勝手だろ?」 

海「僕は勘弁してほしいんだけど…。」 


そんな話をしながら、教室に行く。

真緒は蓮が海と手を繋ごうとしているのを横目で見ながら考える。

さっきの奴…やっぱりもっと言い返しておけばよかった。まあ、学年が違うからもう会うこともないだろうが。




その考えが迂闊だったことを、真緒はまだ知らなかった。