第17章 五年前の約束
屋上に重い沈黙が流れる。
朝比奈さんと神崎主任は、お互いから視線をそらさなかった。
「……もう隠しきれないな。」
先に口を開いたのは神崎主任だった。
朝比奈さんは静かに目を閉じ、小さくうなずく。
「白石さん。」
朝比奈さんが私に向き直る。
「これから話すことは、誰にも言わないと約束してほしい。」
私は戸惑いながらも、うなずいた。
「五年前、この会社で情報漏えい事件が起きた。」
その言葉に息をのむ。
「でも、会社は事件を公表しなかった。」
神崎主任が続ける。
「犯人が見つからなかったからじゃない。」
「会社が隠したんだ。」
「隠した……?」
朝比奈さんは苦しそうな表情で言った。
「会社の信用を守るために。」
私は言葉を失う。
「佐伯真奈さんは、その事件の真相を知ってしまった。」
「だから辞めたんですか?」
「違う。」
朝比奈さんはゆっくり首を振った。
「辞めさせられた。」
その一言が胸に突き刺さる。
「僕たちは佐伯さんを守れなかった。」
朝比奈さんの声は震えていた。
「だから今度こそ、君だけは守る。」
その真剣な瞳に、嘘は感じられなかった。
その瞬間だった。
パンッ——。
屋上に乾いた音が響く。
三人は同時に振り返る。
足元には、小さなUSBメモリーが転がっていた。
誰が投げたのかわからない。
近くには誰もいない。
私は恐る恐る拾い上げる。
ラベルには、黒いペンで一言だけ書かれていた。
『5年前の真実』
風が強く吹き抜ける。
その風に乗って、どこからともなく笑い声が聞こえた気がした。
私は思わず辺りを見回した。
けれど、屋上には私たち三人しかいなかった。
屋上に重い沈黙が流れる。
朝比奈さんと神崎主任は、お互いから視線をそらさなかった。
「……もう隠しきれないな。」
先に口を開いたのは神崎主任だった。
朝比奈さんは静かに目を閉じ、小さくうなずく。
「白石さん。」
朝比奈さんが私に向き直る。
「これから話すことは、誰にも言わないと約束してほしい。」
私は戸惑いながらも、うなずいた。
「五年前、この会社で情報漏えい事件が起きた。」
その言葉に息をのむ。
「でも、会社は事件を公表しなかった。」
神崎主任が続ける。
「犯人が見つからなかったからじゃない。」
「会社が隠したんだ。」
「隠した……?」
朝比奈さんは苦しそうな表情で言った。
「会社の信用を守るために。」
私は言葉を失う。
「佐伯真奈さんは、その事件の真相を知ってしまった。」
「だから辞めたんですか?」
「違う。」
朝比奈さんはゆっくり首を振った。
「辞めさせられた。」
その一言が胸に突き刺さる。
「僕たちは佐伯さんを守れなかった。」
朝比奈さんの声は震えていた。
「だから今度こそ、君だけは守る。」
その真剣な瞳に、嘘は感じられなかった。
その瞬間だった。
パンッ——。
屋上に乾いた音が響く。
三人は同時に振り返る。
足元には、小さなUSBメモリーが転がっていた。
誰が投げたのかわからない。
近くには誰もいない。
私は恐る恐る拾い上げる。
ラベルには、黒いペンで一言だけ書かれていた。
『5年前の真実』
風が強く吹き抜ける。
その風に乗って、どこからともなく笑い声が聞こえた気がした。
私は思わず辺りを見回した。
けれど、屋上には私たち三人しかいなかった。

