大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】

「これ、いいよね。音も声も綺麗で」
「俺も好き」

私が女性パート、陸斗が男性パートで、二人で歌を口ずさみながらドライブする。
歌は上手くない。
でも、陸斗となら、少し恥ずかしいことでもできる気がした。

こんな些細な時間を大切だと思える私は、きっと幸せ者だ。
そうこうしているうちに、旅館が見えてきた。

駐車場に車を停め、降りる。
トランクから荷物を取り出す陸斗をよそに、はしゃぎそうになるのをぐっとこらえた。
柔らかな光に包まれた、和の雰囲気を感じさせる大きな旅館。