大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】

「準備できてる?」

そう言われ、ゆっくりと頷いた。

「じゃあ、行こう」

差し出された手に手を重ねる。
マンションの駐車場へ向かい、車に乗り込んだ。

「どこに行くの?」
「思い出の場所」

思いもしなかった言葉が返ってきて、考え込む。
私と陸斗の思い出の場所――って、こと?
見慣れた景色が流れていく。
着いた場所は、小さな頃によく遊んでいた公園だった。

「懐かしい……」

駐車場に車を止め、外に出る。夏の匂いがした。
ここは、何も変わっていない。
みんなで取り合ったブランコ。
砂場、滑り台。何もかもが懐かしい。