大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】

マンションに戻ると、対面式のキッチンに椅子を二脚並べた。 何もなかった場所に椅子が置かれただけなのに、それだけで生活感が生まれる。
「俺が作る係で、彩葉は食べる係」
「私も、たまには作りますよ!多分!」
「多分なんだ」
陸斗が小さく笑う。
そのあと二人で照明を付け替えた。
スイッチを入れると、柔らかな光が部屋を包み込む。

たったそれだけなのに、さっきまでとはまるで違う空間に見えた。 少しずつ、この部屋が「家」になっていく。

買ってきた食器を、一つひとつ丁寧に洗う。 新品の食器が水を弾く様子を眺めながら棚へ並べていくと、それだけで少し嬉しくなった。

「飯、作る?」
「うん!」

陸斗がキッチンに立ち、私はその間に浴室へ向かう。