大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】

「今日、引っ越しをお願いした者です」

そう言って、部屋へ案内する。

「あの、家具の処分もお願いできますか?」

「はい、大丈夫ですよ」

「それなら、このベッドの処分もお願いします」

荷物は少ない方だ。

それでも、驚くほどあっという間に運び出されていく。

その光景を、私はただ静かに見つめていた。

このアパートも、今日で最後。

嫌なこともたくさんあった。

それでも――陸斗と暮らした時間は、どれも大切な思い出だ。