大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】

「彩葉。夜に玄関の扉を開けるときは、ちゃんとチェーンして」

何事もなかったみたいな声。

さっきの空気だけが、まだ部屋に貼りついている。

「まさか……こんなことになるなんて……」

気が付けば、指先が震えていた。

冷たい水滴が頬に落ちてきて、そこで初めて気付く。

陸斗の髪はずぶ濡れで、毛先からは絶え間なく水滴が滴り落ちていた。

何より――

上半身は裸のままだ。