大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】

パンケーキの焼ける匂いに誘われるように、私は台所へ向かった。

なぜか、項垂れた陸斗が台所に立っていた。

「どうしたの?」

「焦げた」

見れば、確かに少し焼きすぎたような色をしている。

でも――。

「全然、美味しそう~」

思わずそう言ってしまう。

美味しそうな食べ物があることも嬉しい。

それ以上に、陸斗が作ってくれたという事実が、なぜか一番幸せだった。

それに、いつもは完璧に見えていた陸斗の小さなミスが、なんだか愛おしい。