熱く胸を焦がして

 梅雨が明け、本格的な夏の到来。
 真夏日でも、私は相変わらずブカブカの長袖チュニックにエプロン姿で働いている。

「村木さん」
 私を呼ぶ声に振り返ると、相馬さんがまた来ていた。
 今日は、前回は急用で来られなかった中年の職員も一緒だ。

 町おこしの為に、このコミュニティセンターのことをもっと多くの人に知ってもらいたいとのこと。
 確かに、もともとこの施設が作られたのは、観光客や移住者へのアプローチでもあったと聞いている。

「村木さん、暑くないんですか?」
 相馬さんがそんなことを尋ねてきた。
「え?別にそれほどでも⋯⋯相馬さんだって長袖じゃありませんか」
「ははっ、クールビズとは言うものの、下っ端はなんやかんやで気を使いますよね」

 あくまで町おこしに関するやり取りしかないものの、彼は頻繁にここへやって来るように。
「相馬さんって、この町に移住なさったんですか?」