熱く胸を焦がして

 あれから幾つかの季節を見送った。
「なあ、萌美。嫌だったら勿論構わないんだけど、山崎のこと結婚式に呼んでもいいかな?」
 ウェディング雑誌を眺めながらの突然の言葉に、後ろめたいことなど何もないのにドキッとする。
「知ってたの⋯⋯?」
「山崎から聞いたよ。それで、一発殴らせろって言って、殴っておいた」
「えぇ!?そ、それはちょっと⋯⋯」
「大丈夫だよ。本気で殴ったわけじゃないし、その後すぐハグして仲直りしてるから。ただ、萌美が嫌なら⋯⋯」
「もういいよ。あ!山崎とは高校時代、悠が思ってるような関係ではなかったからね!?」
「わかってるってば」
 そう言って笑う。
 今ならば、こんな風に笑って話せる。
 私は何に拘っていたのだろう。
 お互いに一目惚れだった――それを疑う必要もなかった。
 今ならば、
「本当はおっぱい星人です、フェチなんです」
 そう言われたところで別に構わない。