熱く胸を焦がして

 彼は優しく、仕事も安定の公務員で二枚目だ。
 おっぱい星人であることを受け入れてくれる、他の誰かがすぐに見つかるはず。

「萌美」
 職場で私をそう呼ぶ人はいないのに。
 不思議に思って振り向いた瞬間、私はフリーズしてしまった。
「しばらくぶりだな。元気だったか?」
 そこに立っていたのは、トラウマの元凶である、七年前の元彼、山崎だった。
 運悪く、今の私は昼休みの真っ最中で、さっきのように仕事中と言って逃げることもできない。
「ごめん⋯⋯!」
 山崎は、私に頭を下げた。
「え?」
「昔⋯⋯しょうもない男子校のノリで萌美のことを友達にベラベラ話してしまったこと、ずっと後悔してた。本当にごめん」
 ここは施設内のカフェである。客の視線が痛い。
 仕方なく、駐車場のひとけの少ないところまで移動した。
「この前、モールで相馬と一緒のところ、見たんだ」
「は⋯⋯?なんで彼のこと知ってるの!?」