文化祭が終わってから、先輩は写真部に一度も顔を見せていない。
部長さんに訊くと、「世那、進路苦戦しているみたいなんだよね」と笑っていた。
進路。
そう、先輩達は1月で引退する。
あと、3ヶ月。
そういうものに執着はないと思っていたが、考えると心に僅かな寂しさは芽生える。
「よ。あれ、もうみんな帰っちゃった感じ?」
疲れ切った表情で、髪が少し乱れている先輩。
「そうですね。さっき、帰りました」
いつもの笑顔がどこか沈んでいる。
「そっか。やっと終わったからまだいるかなって来たんだけど、遅かったか」
軽くため息を吐きながら、髪をぐしゃっと乱す。
「じゃあ、早く帰りなよ。またね、凪ちゃん」
空には羊雲の群れが浮かんでいた。
夕陽に照らされてオレンジ色のグラデーションを描くのが先輩で、その隣のまだ青く染まり切れない雲が私。
でも、先輩の雲だってまだ僅かに染まり切っていない。
上手くやり過ごすふりをして、本当は全くできてない先輩。
でも、その儚げで弱い微笑みが好きだった。
本当は撮りたかったな。
先輩がもう少しで去ってしまうのは、やっぱり、ほんの少し寂しい。
部長さんに訊くと、「世那、進路苦戦しているみたいなんだよね」と笑っていた。
進路。
そう、先輩達は1月で引退する。
あと、3ヶ月。
そういうものに執着はないと思っていたが、考えると心に僅かな寂しさは芽生える。
「よ。あれ、もうみんな帰っちゃった感じ?」
疲れ切った表情で、髪が少し乱れている先輩。
「そうですね。さっき、帰りました」
いつもの笑顔がどこか沈んでいる。
「そっか。やっと終わったからまだいるかなって来たんだけど、遅かったか」
軽くため息を吐きながら、髪をぐしゃっと乱す。
「じゃあ、早く帰りなよ。またね、凪ちゃん」
空には羊雲の群れが浮かんでいた。
夕陽に照らされてオレンジ色のグラデーションを描くのが先輩で、その隣のまだ青く染まり切れない雲が私。
でも、先輩の雲だってまだ僅かに染まり切っていない。
上手くやり過ごすふりをして、本当は全くできてない先輩。
でも、その儚げで弱い微笑みが好きだった。
本当は撮りたかったな。
先輩がもう少しで去ってしまうのは、やっぱり、ほんの少し寂しい。



