「そー。サインもらえない?って言われない日は一日もないくらいに」
「なのに、その娘は一切芸能人には興味ないときた。最近人気のアイドルもくわしくないよね」
「全然」
何一つ分からない。
テレビで顔を観ても、誰なのかユニット名はなんなのかも分からない。
「だけどゆいいつ、わたしの話は聞いてくれるもんねっ」
「私は由莉からだけで十分」
元アイドルの親の娘が、アイドル好きやくわしいとは思わないでもらいたい。と、日々私が思っていることを由莉は分かってくれている。
だから私へされるアイドル話では、だいたい由莉が会話を成立させてくれてるから私は横で聞き流すだけですむ。
その分、というわけではないけど由莉の話には付き合うのが自然になった。



