なぜそんなに私へとアイドルの話を周りがするのかというと、
苺乃木事務所──数々のアイドルをはいしゅつさせ、"苺乃木のアイドルに推しはあり!"とアイドル界一の事務所社長お父さんを持つのが一番の理由。
昔、ほんの少しだけアイドルを経験していたお父さんがいることも、理由にはあるかもしれない。
「鈴珂ーだれでもいいからサインとかしてもらえないのー?」
「そういうのは自力でがんばってくださいなー」
ほら。またよそのクラスからサインのお願い。
そしてことわる。私にはこれが普通の生活になっている。
そっか、と落ち込み気味の女子を見送ると、由莉は苦笑いを浮かべた。
「大手の芸能事務所社長を持つ娘に何かしらお願いしてくる女子増えたねぇ。最近では男子もか。しかも苺乃木事務所デビューのアイドルファンだらけ。その事務所の娘がいたら可能性感じちゃうのは分かるなぁ」



