水族館を出て、三人でゆっくりと駅方面へ向かって歩いていた。潮の香りが残る夜風が頬をなで、水面に映る街の明かりがきらきらと揺れている。
そのとき、道の脇の木陰から関ヶ原がぬっと姿を現した。
「ほう、こんな夜に三人で仲良くお出かけとは、いい光景ですね」
薄ら笑いを浮かべてこちらを見る彼の姿に、美登里と真理子の足が一瞬止まる。愛斗はすぐさま二人の前に立ちはだかり、低く鋭い声で言い放った。
「関ヶ原… お前に用はない。ここからすぐに立ち去れ。俺の彼女に手を出すな、二度と近づくな」
関ヶ原は肩をすくめると、「はいはい、わかりましたよ」とだけ言って、ゆっくりと路地の奥へ消えていった。
だが、少し歩いたところで美登里がくるりと後ろを振り返り、眉をひそめて声を落とす。
「愛斗くん… さっきの人、まだいるよ。建物の陰からこっちを見てるみたい」
愛斗も振り返ると、確かに遠くの暗がりから、こちらを窺う気配があった。
真理子の肩が小さく震えるのを感じ、愛斗は美登里に少し待つように目配せすると、真理子の方へ向き直った。
「真理子、こっちを向いて」
柔らかく呼びかけると、彼女の両肩に手を置き、そっと顔を寄せて唇を重ねた。短いけれど、はっきりと自分の想いを込めた口づけ。真理子は目を閉じ、愛斗の胸元に少しだけ身を預けてくる。
唇を離すと、愛斗はそのまま彼女を後ろからぎゅっと抱きしめ、背中を守るように腕を回した。そして、遠くの陰に向かって、通る声で言い放つ。
「関ヶ原、よく聞け。この人は俺の真理子だ。今後一切手を出すな、つきまとうな、視線を向けることさえ許さない。次に見つけたら、法的手段もためらわない」
陰の気配が一瞬動き、何か悪態をつくような音がしたが、すぐに遠ざかっていく足音が聞こえた。
安心したように息を吐き、愛斗は真理子を抱く腕を緩め、美登里に向き直る。
「美登里さんここまで送ってくれてありがとう
「真理子さん、愛斗くん、気をつけて帰ってねバイバイ」
美登里は二人に手を振ると、別の道を曲がって帰路へと向かった。
二人だけになった瞬間、真理子が愛斗のシャツの裾を指でそっと掴み、上目遣いでじっと彼を見上げてくる。瞳には少しの不安と、大きな信頼が浮かんでいる。
「愛斗くん…」
小さく名前を呼ぶなり、つま先を伸ばして自分から軽く唇を重ねてた。さっきよりも柔らかく、甘い口づけだった。
離れると、真理子は少し頬を染め、声を震わせながら言う。
「まだ… どこかに隠れて見てるかもしれないでしょ? 今日は… 愛斗くんの家に行ってもいい? 一人で帰るの、少し怖いの…」
愛斗は彼女の手を取り、指を絡めて強く握り返す。
「わかった。俺もその方が安心だ。じゃあ、少し先にコンビニがあるから、そこで何か買ってから帰ろう」
二人は手をつないだまま、明かりのついたコンビニへと向かって歩き出す。店に入ると、冷凍ケースの前で並んで立ち、真理子が「このバニラアイスが食べたい」と指を差し、愛斗が「じゃあ俺は抹茶にする」と笑って答える。他に飲み物や小さなお菓子もかごに入れ、レジへと向かう。
夜の冷たい空気の中、手のぬくもりと、これから二人で過ごす時間が、真理子の心を少しずつ温めていくのだった。
二人は家に帰り真理子ときすをする。
「さっきは突然きすしてごめん真理子を守りたくてやったんだ」
「愛斗くんは悪くないよ真理子嬉しかったよ」
そのとき、道の脇の木陰から関ヶ原がぬっと姿を現した。
「ほう、こんな夜に三人で仲良くお出かけとは、いい光景ですね」
薄ら笑いを浮かべてこちらを見る彼の姿に、美登里と真理子の足が一瞬止まる。愛斗はすぐさま二人の前に立ちはだかり、低く鋭い声で言い放った。
「関ヶ原… お前に用はない。ここからすぐに立ち去れ。俺の彼女に手を出すな、二度と近づくな」
関ヶ原は肩をすくめると、「はいはい、わかりましたよ」とだけ言って、ゆっくりと路地の奥へ消えていった。
だが、少し歩いたところで美登里がくるりと後ろを振り返り、眉をひそめて声を落とす。
「愛斗くん… さっきの人、まだいるよ。建物の陰からこっちを見てるみたい」
愛斗も振り返ると、確かに遠くの暗がりから、こちらを窺う気配があった。
真理子の肩が小さく震えるのを感じ、愛斗は美登里に少し待つように目配せすると、真理子の方へ向き直った。
「真理子、こっちを向いて」
柔らかく呼びかけると、彼女の両肩に手を置き、そっと顔を寄せて唇を重ねた。短いけれど、はっきりと自分の想いを込めた口づけ。真理子は目を閉じ、愛斗の胸元に少しだけ身を預けてくる。
唇を離すと、愛斗はそのまま彼女を後ろからぎゅっと抱きしめ、背中を守るように腕を回した。そして、遠くの陰に向かって、通る声で言い放つ。
「関ヶ原、よく聞け。この人は俺の真理子だ。今後一切手を出すな、つきまとうな、視線を向けることさえ許さない。次に見つけたら、法的手段もためらわない」
陰の気配が一瞬動き、何か悪態をつくような音がしたが、すぐに遠ざかっていく足音が聞こえた。
安心したように息を吐き、愛斗は真理子を抱く腕を緩め、美登里に向き直る。
「美登里さんここまで送ってくれてありがとう
「真理子さん、愛斗くん、気をつけて帰ってねバイバイ」
美登里は二人に手を振ると、別の道を曲がって帰路へと向かった。
二人だけになった瞬間、真理子が愛斗のシャツの裾を指でそっと掴み、上目遣いでじっと彼を見上げてくる。瞳には少しの不安と、大きな信頼が浮かんでいる。
「愛斗くん…」
小さく名前を呼ぶなり、つま先を伸ばして自分から軽く唇を重ねてた。さっきよりも柔らかく、甘い口づけだった。
離れると、真理子は少し頬を染め、声を震わせながら言う。
「まだ… どこかに隠れて見てるかもしれないでしょ? 今日は… 愛斗くんの家に行ってもいい? 一人で帰るの、少し怖いの…」
愛斗は彼女の手を取り、指を絡めて強く握り返す。
「わかった。俺もその方が安心だ。じゃあ、少し先にコンビニがあるから、そこで何か買ってから帰ろう」
二人は手をつないだまま、明かりのついたコンビニへと向かって歩き出す。店に入ると、冷凍ケースの前で並んで立ち、真理子が「このバニラアイスが食べたい」と指を差し、愛斗が「じゃあ俺は抹茶にする」と笑って答える。他に飲み物や小さなお菓子もかごに入れ、レジへと向かう。
夜の冷たい空気の中、手のぬくもりと、これから二人で過ごす時間が、真理子の心を少しずつ温めていくのだった。
二人は家に帰り真理子ときすをする。
「さっきは突然きすしてごめん真理子を守りたくてやったんだ」
「愛斗くんは悪くないよ真理子嬉しかったよ」

