昨日の夜、LINEの中でだけ『漣くん』って呼べた
その事実に舞い上がったまま迎えた、次の日の朝
「おはよ、天音! ……って、ひゃあ!?」
教室に入るなり、待ち構えていたひまりが私の顔を見て変な声を上げた
「天音、今日のニヤニヤは昨日より重症だよ! 完全に目が恋する乙女になってるじゃん!」
「えっ!? 嘘、そんなことないってば!」
慌てて両手で顔をパタパタと仰ぐ。そんな私たちの賑やかな声が聞こえたのか
教室の入り口の方から、聞き覚えのある足音が近づいてきた
――夜凪くんだ。
いつものように黒い学ランのボタンを外し、気だるそうに歩いてくる
彼が私の席の横を通り過ぎる瞬間、一瞬だけ、本当に一瞬だけ、その鋭い瞳が私を捉えた
あ……
昨日の夜のやり取りがフラッシュバックして、心臓が爆発しそうになる
思わず「漣く……」と言いそうになって、大急ぎで口を手で押さえた
危ない、学校では秘密って約束したばっかりなのに!
彼は私の焦る様子を見て、気づかれないようにフッと微かに口元を緩めると、
そのまま後ろの自分の席へと歩いていってしまった
「ちょっと天音、今の見た!?」
ひまりが私の肩をがくがくと揺らす
「なに、何を……?」
「今、あの夜凪が一瞬天音のこと見た気がしたの! やっぱりカツアゲのターゲットにされてるよ!! 」
「違うから! 本当に心配しすぎだってば!」
ひまりの勘違いに焦りつつも、私は斜め後ろの席を振り返ることができなかった
画面の中ではあんなに近くに感じた『漣くん』なのに、
学校という大勢の人がいる場所では、やっぱり遠い『学校一の不良の夜凪くん』
その距離感が、なんだか少しだけじれったくて、胸の奥がチクリと痛んだ
その事実に舞い上がったまま迎えた、次の日の朝
「おはよ、天音! ……って、ひゃあ!?」
教室に入るなり、待ち構えていたひまりが私の顔を見て変な声を上げた
「天音、今日のニヤニヤは昨日より重症だよ! 完全に目が恋する乙女になってるじゃん!」
「えっ!? 嘘、そんなことないってば!」
慌てて両手で顔をパタパタと仰ぐ。そんな私たちの賑やかな声が聞こえたのか
教室の入り口の方から、聞き覚えのある足音が近づいてきた
――夜凪くんだ。
いつものように黒い学ランのボタンを外し、気だるそうに歩いてくる
彼が私の席の横を通り過ぎる瞬間、一瞬だけ、本当に一瞬だけ、その鋭い瞳が私を捉えた
あ……
昨日の夜のやり取りがフラッシュバックして、心臓が爆発しそうになる
思わず「漣く……」と言いそうになって、大急ぎで口を手で押さえた
危ない、学校では秘密って約束したばっかりなのに!
彼は私の焦る様子を見て、気づかれないようにフッと微かに口元を緩めると、
そのまま後ろの自分の席へと歩いていってしまった
「ちょっと天音、今の見た!?」
ひまりが私の肩をがくがくと揺らす
「なに、何を……?」
「今、あの夜凪が一瞬天音のこと見た気がしたの! やっぱりカツアゲのターゲットにされてるよ!! 」
「違うから! 本当に心配しすぎだってば!」
ひまりの勘違いに焦りつつも、私は斜め後ろの席を振り返ることができなかった
画面の中ではあんなに近くに感じた『漣くん』なのに、
学校という大勢の人がいる場所では、やっぱり遠い『学校一の不良の夜凪くん』
その距離感が、なんだか少しだけじれったくて、胸の奥がチクリと痛んだ
