午前零時、夜に恋をした。

キーンコーンカーンコーン……

楽しい時間はあっという間で、
お昼休みの終わりを告げるチャイムが冷たく響き渡った

「あーあ、鳴っちゃった……」

私は名残惜しそうに空いたお弁当箱を片付けながら、そっと立ち上がった
スカートについた砂を払っていると、
隣の夜凪くんはまだコンクリートの上に座ったまま、
空をじっと見上げている

「じゃあ、私、教室に戻るね。今日の午後の分のノートも、ちゃんと取っておくから」

「おう。……あ、待て、千歳飴」

鉄の扉へ向かおうとした私の背中に、夜凪くんの低い声が降ってきた
振り返ると、彼はいつの間にか立ち上がっていて、長い足をこちらへ踏み出してきた

一歩、二歩と距離が縮まり、彼の影が私をすっぽりと包み込む

「な、に……?」

顔が近くて、心臓が痛いくらいに脈打ち始める
夜凪くんはポケットからスマホを取り出すと、画面を私の目の前に突きつけてきた

「今日の夜も、また午前零時にメッセージ送るから。……お前、次もすぐに既読つけろよ」

「え……?」

「たまたま起きてただけ、とか言うなよ。……俺は、お前が起きてるの待ってるから」

ぶっきらぼうに、でもまっすぐに私の目を見てそう言った夜凪くんの顔は、
ほんのりと赤くなっていた。『待ってるから』なんて、そんなのもう、
ただのメールの約束じゃないじゃん。

「……うん、分かった。絶対にすぐ、既読つけるね」