記憶が戻るまで


タクシーの中で、


「夜、救い出す手みたいなのは


思い出せたんですが…


完全に記憶が戻るまで一緒にいられませんか…?



伴侶になりたいです…」



竹傘を膝の上に置いた美形男子流沙。



「数奇な運命で出会ったようなものですから、



火が通りにくい野菜のような状態です…



じっくり煮込む期間が必要だと思います…」



「それはいいお返事として頂いてよろしいんです



ね…?伴侶となる以前の解決法で…」手を握りしめ、


「ひゃっ」「これくらい慣れていただかないと…」そっちを見ると苦笑いを返される。



「慣れるって恋愛は難しいですね…」一拍置いて


「その角を右に曲がってください…」