「…は?」 勇ちゃんの困った声が聞こえてくる。 …そうだよね。 いきなりこんなこと言われても困るよね。 「…ごめん、忘れて」 あたしはそう呟くと、勇ちゃんの家を出て行った。 勇ちゃんに追いつかれないように、全力で走った。 外はやっぱり寒い。 突然飛び出してきたから、マフラーや上着を持ってるはずがない。 でもね、外の寒さよりも …心のほうが寒いよ、勇ちゃん。 .