気づけば、私は小学校の体育館にいた。
着の身着のままで逃げてきた人たちで埋め尽くされた避難所。
夕方から夜にかけて、外は真冬並みの激しい雪になり、気温は一気に氷点下まで下がっていた。
停電で暖房も消え、真っ暗闇になった体育館。
玄関のドアを開けた瞬間に襲ってきたあの朝の寒さなんて、比べものにならない。
凍てつく冷気が、暴力のように容赦なく体温を奪っていく。
吐く息は真っ白で、顎の震えがどうしても止まらない。
私は体育館の隅で、冷え切った自分の膝を抱えて、暗闇をただ見つめていた。
家が崩れていくあの瞬間が、目に焼き付いて離れない。
お父さんも、お母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、みんなどこにいるか分からない。
そして、私の手を強く振り払った、優子の姿も。
(みんな、寒くないかな……。痛い思いをしていないかな……)
目を閉じると、ウーーーという大津波警報のサイレン音と、みんなの悲鳴、そして街が崩れていくあの破壊音が、何度も何度も頭の中で木霊した。
