おかえりが聞こえる病室

「……。」

小さな沈黙。

そして。

「……こわい。」

先生は静かにうなずいた。

「うん。」

「怖いね。」

「先生も、小さい頃は注射が苦手だったよ。」

亜美は少しだけ驚いた顔をする。

「せんせいも?」

「うん。」

「逃げようとしたこともある。」

その一言で、少しだけ空気が和らいだ。

「だから約束。」

先生は小指を立てる。

「終わったら。」

「今日はもうゆっくり休もう。」

「頑張ったら終わり。」

亜美は少し迷ってから、小指を重ねた。

「……やくそく。」