おかえりが聞こえる病室

昼食を半分ほど食べ終えた頃だった。

コンコン。

病室のドアをノックする音が響く。

「失礼します。」

莉奈だった。

いつものように穏やかな笑顔。

でも今日は、その手にカルテを持っていた。

亜美は、その瞬間に胸がざわついた。

(なんだろう……。)

「亜美ちゃん。」

莉奈はベッドの横へ椅子を寄せた。

すぐには話し始めない。

まずは目線を合わせる。

「先生からお話があったんだけどね。」

その言葉だけで、亜美の表情が変わる。

「……。」

小さな手が、布団をぎゅっと握った。

莉奈はその手を見ながら、ゆっくり続ける。

「朝、お熱が少し高かったでしょ?」

「うん……。」

「だから先生がね。」

「午後にもう一度だけ血液を調べようって。」

病室が静かになる。