おかえりが聞こえる病室

「点滴のところ、少し見せてもらうね。」

莉奈はまず手を消毒し、点滴の刺入部を丁寧に観察する。

赤くなっていないか。

腫れていないか。

テープは浮いていないか。

一本ずつ確認していく。

その間も、亜美に話しかけることは忘れない。

「痛くない?」

「だいじょうぶ。」

「ありがとう。」

確認が終わると、莉奈は小さくうなずいた。

「きれいだね。」

「このまま使えそう。」

亜美は点滴を見つめる。

「……これ。」

「いつ、とれる?」

その質問に、莉奈はすぐには答えなかった。

適当に「もうすぐだよ」とは言えない。

「先生がお熱や呼吸を見ながら決めるからね。」

「だから、もう少しだけ一緒に頑張ろう。」

亜美は少し残念そうに「うん」と答えた。