おかえりが聞こえる病室

「302号室です。」

看護師が足を止めた。

病室のプレートには、小さく数字が書かれている。

302

ドアが静かに開いた。

病室には、ベッドが二つ。

今日はもう一つのベッドは空いていた。

窓の外には、夜の街の灯りが見える。

「こちらのベッドになります。」

亜美はストレッチャーからゆっくりベッドへ移される。

慣れない場所に、また涙がこぼれそうになった。