おかえりが聞こえる病室

処置室を出る頃には、時計の針は23時35分を指していた。

救急外来の廊下は少し静かになっていた。

先生はカルテを閉じる。

検査結果がそろうまで、もう少し時間がかかる。

その結果で、この夜の過ごし方が決まる。

そして、その先には——

302号室。

まだ亜美は知らない。

その病室で出会う一人の看護師が、自分にとって「病院で一番安心できる人」になることを。