おかえりが聞こえる病室

救急外来の看護師がワゴンを静かに寄せる。

「亜美ちゃん。」

「今から腕を見せてもらうね。」

優しい声だった。

亜美は恐る恐る腕を差し出す。

看護師は腕を見ながら微笑む。

「ありがとう。」

「終わるまで、ママのおてて握ってていいからね。」

その言葉を聞いて、亜美はママの手をぎゅっと握った。

「ママ……。」

「うん。」

「ここにいるよ。」

ママは笑った。

でも、その笑顔の奥には心配が隠れていた。