魔女の弟子のまあまあ楽しい2度目の人生

8回目のお茶会の日。
リーナへのアプローチ作戦を考えまくり、意気揚々と小屋に着いたウィルはテーブルの上に置かれた手紙を見つけた。

『 ウィルへ
 森に行っていることがお母さまに見つかってしまい、孤児院へ行くことも禁止されてしまいました。
 この手紙はどうにかシスター・エリーに託しましたが、これからは手紙も中を見られるかもしれないので、なかなか書けないと思います。
 ウィルと再会できて、とても嬉しかったです。
 ほとぼりが冷めたら、またいつか小屋や先生のお墓参りが出来たらいいなと思ってます。
 ウィルも元気でね。

                 親愛なるリーナより         』

珍しく森から速攻で帰ってきたウィルを見て、ルーファスが驚いている。
「どうされたんです?フィリーナ嬢とお会い出来なかったんですか?」

ウィルは無言でリーナからの手紙をルーファスに見せた。
一通り目を通し、ルーファスが”うわあ”とつぶやいた。

これからリーナと(恋愛的な)仲を深めていこうと張り切っていただけに衝撃は大きい。
「もう、いっそのこと国王としてラチェット伯爵令嬢をここに呼び出されたらいいんじゃないですか?」
「リーナは贅沢なものに惹かれるタイプじゃないからな。むしろ、王妃になって欲しいなどと直球で言えば全力で逃げられそうな気がする。」
リーナは以前、決まり事や慣習に縛られた貴族の親戚や友人より、(平民と思っている)ウィルと会う方が気楽でいいと言っていた。

「じゃあ、どうされるんです?」
ずっと結婚に後ろ向きだった主がようやく前向きになってくれたのだ。
ルーファスとしてもリーナを逃すのは残念である。

「逃がさないさ。」
ウィルが力強く言い切った。
「周囲をがっちり固めて、絶対にリーナにはいと言わせる。」

迷いのない主の表情を見て、ルーファスはまだ会ったことのない少女に思いを馳せた。

権力に興味のない者にとって王妃の位など重荷でしかないだろう。
でも、陛下のこの様子では彼女が逃げ切るのは無理だろうな。
気の毒に・・・。