この溺愛、誰か止めて下さい!

ドリンクバーの機械で飲み物を入れながら、
なんとなくスマホで時間を確認すると、一件の通知が入っていた。

"せいちゃん、今日どこにいるの?"


相手はもちろん幸人からで。

昨日と同じで先に帰っててってちゃんと連絡を入れておいたのに、それでもこうやって連絡が来る。

あんたはあたしのお父さんか!

なんて思いながら、そのまま送りつけてやろうかと思っていた時だった。


「星菜ちゃん…だよね?」


後ろから突然声をかけられたので、反射的にスマホの画面を切ってしまった。


幸人のトークを開いたまま。


「えっと…確か」


「慎…豊崎慎。」


そうだ、さっき自己紹介の時に目が合った人だ。


「ちゃんと覚えたつもりだったんだけど、人の名前覚えるの苦手でパッと出てこなくて、ごめんなさい」


「いや、それは全然大丈夫なんだけど、さっきすっごく上の空な感じだったから、こういうところ苦手なのかなと思って心配でついて来ちゃった。ごめんね」


「あ、全然!あたしあんな感じの場だと何話したらいいのかわからなくて」


「そうだったんだ。もしかしてこういうの初めて?」


「実は、初めてで」


そうだったんだ、と言いながらあたしと少し距離を詰めてくる。
なんだかすごい近い気がするんだけど。

「…こんなこと聞くのもアレなんだけど、彼氏とかはいないの?」

「…………え?!彼氏??いないよ!」


顔の目の前で両手を振りながら全力否定をする。

あたしのあまりの全力の否定に豊崎くんはおかしそうに笑った。
それに釣られるようにあたしも笑いだしてしまう。