この溺愛、誰か止めて下さい!

「………せいちゃん………ごめんね」


「え?」


予想外にもあたしの想いが伝わったのか、幸人から謝罪の言葉が飛び込んできた。


分かればいいのよ、分かれば。


「………‥流石の僕でも‥そんなに見られてると、着替えられないよ」



「……………………は?」


「せいちゃんってば、そんなに僕の着替え見たかったの?」



少し恥ずかしそうに服の裾に手を当てる幸人。



「ふ…………ふざけんなあーーーーー!幸人のばか!」



幸人のあり得ない発言に、ワナワナと怒りが湧いて、
部屋を飛び出して、勢いよくドアを閉める。


明日から起こすのやめようかな本当。






「せいちゃん、おまたせ」


「…ほんとにね」


幸人を起こしにいった後は、リビングで幸人ママの朝ごはんを食べながら、幸人の準備が終わるのを待っている。


ちなみにこれもルーティン


起こしてくれて助かるから、朝ごはんだけでもウチで食べて行ってと言ってくれる幸人ママのお言葉に甘えさせてもらってる。


「…せいちゃんが起きるの早いんだよ」



「あんたが遅すぎるだけ、早く行くよ。遅刻しちゃう」



ご馳走様!と言ってカバンを持ち上げて玄関に向かう。


ちなみに幸人は、毎回朝ごはんを食べない。
あんなに美味しいのに勿体無い


幸人ママの行ってらっしゃい〜という言葉を背に外に出る。
家から最寄りの駅まで少し歩く


「せいちゃん、早いよ〜もっとゆっくり歩いて」



「むり!」



「鬼!」




「ていうか、幸人ってばいい加減自分で起きれるようになったら?準備だってあたしより全然時間かかるし、もう高校生なのに、……………って…きいてる?」



ちょっと説教してやろうと、日頃の文句を伝えてみたけど、幸人にあたしの言葉は届いてないみたいで


幸人の目線は完全にあたしの足元に向いていた。


最初は気にしないでそのまま話を続けようと思ったけれど、幸人は無言であたしの少し後ろをついてくる。


あまりに喋らなさすぎるので、我慢できなくなってしまった。


「………ちょっと、ゆき……「せいちゃんさ、なんか今日スカート短くない?」


「……え?」


「だから、スカート」


「……………今日って生活指導とかあったっけ?」


まさかそこをつっ込まれるとは思わなくて、意味のわからない返しをしてしまった。


確かに今日はいつもよりスカートを短くしてる。


もちろん理由はあるけど、幸人には絶対に教えない。


「生活指導?ないよ」


「だよね。てか短くないよ、いつもと同じ!気のせい!」


「…………」


あまり納得のいってない様子の幸人に気づかないふりをして、駅に足を向ける。

自宅の最寄りから15分揺られると、あたしたちの通う学校の最寄駅に到着する。